ゴロ-の健康と糖質制限と栄養学の話

健康と糖質制限と栄養学について色々な話題を紹介します

健康に役立つ栄養学(3) タンパク質その1

どうもこんにちは、ゴローです。

 

今日はいつも食べる定食屋さんのランチが急病でお休みだったので、

551の豚まんを食べました。

たまに無性に食べたくなるんですよ、関西人の読者さんはわかりますよね??

 

おいしかったのですが、今、皮膚炎が出てきていて、

効果覿面だなと実感しているところです。

 

え、何の話って?

そう、小麦に含まれるタンパク質、グルテンが効いているんです。

今日の話題はそんなタンパク質のお話。

 

 

人体の最重要物質

体内で合成されるタンパク質はおよそ10万種類と言われています。代表例を挙げると、筋肉はミオシンとアクチンが主なタンパク質の塊、もちろん、皮膚もコラーゲンをはじめとするタンパク質が主成分、爪や髪はケラチン、骨もほとんどがコラーゲン、酵素だってタンパク質ですし、ホルモンもタンパク質が原料です。すなわち、ヒトの体の中で最も重要と言える物質がタンパク質なのです。タンパク質が無ければ、成長も生命維持も子孫を残すことだってできません。我々の生命活動はこのタンパク質をいかに合成するかに全力を注いでいると言っても過言ではないのです。

 

 

カギはオートファジー

一日当たりのタンパク質合成量は400gと言われています。質量保存の法則があるからには、それだけ合成するためには、少なくとも400gのタンパク質(もしくはその原料)が必要です。

で、タンパク質400gを摂取するには牛肉換算で1.5kgに相当します。

あれ?おかしいですよね?そんなに毎日お肉を食べている人はそうはいません。

 

その秘密はオートファジー(自食作用)と呼ばれる機構にあります。

2016年に東京工業大学の名誉教授、大隅良典さんが「オートファジーの仕組みの解明」でノーベル賞を受賞、ジャンプ漫画の「トリコ」で取り上げられたことでも有名になりました。

簡単に解説しますと、体内で不要となったタンパク質を分解、別のタンパク質の原料として再利用している働きのことです。

このオートファジーの分を含めて一日あたり400gです。つまり、毎日400gのタンパク質を摂取する必要はないのです。

が、しかし、オートファジーによって再利用できるのは100%ではありません。オートファジーによる再合成で追いつかない不足分を食品から摂取する必要があるのです。オートファジーにもエネルギーが必要で、この力は年齢と共に衰えてくることがわかっています。では、どの程度摂取する必要があるのでしょうか。

ライフスタイル、年齢によって違いはあるものの、最低でも20g+体重×0.001の摂取が必要とされています。体重60kgの人ならば、一日あたり80gを摂取する必要があります。これはあくまで目安で、年齢と共に衰えてくるので、歳をとればとるほどたくさんのタンパク質が必要となります。

では、先程の牛肉換算で80gのタンパク質を摂取するためには、何g必要なのでしょうか。牛肉でおよそ25%がタンパク質ですので、80÷0.25=320g・・・320g!

そうです、結論から言いますと、このタンパク質、圧倒的に不足しているのです。

 

 

貧相なタンパク質事情

 

gorogorogoro.hatenablog.com

 こちらの記事でも紹介したとおり、体内最大のタンパク質貯蔵庫は骨格筋です。

内臓のタンパク質や、酵素の量を減らすわけにはいきませんから、足りていない分は骨格筋からまかなっています。ですが、慢性的に不足していますので、もはや骨格筋には貸し出せる分などありません。したがって、免疫細胞の数を減らして何とか間に合わしている、これが現代人のタンパク質事情です。

一度計算してみてください、絶望するほどタンパク質が足りていないのがわかります。含有率の高い牛肉(赤身)でさえ25%です、お刺身なんかものによっては、10%を切っています。高タンパク質のお肉をあまり摂らなくても、何とか体を維持できているのは、お米や小麦にタンパク質が割と含まれているからです。含有率は高くないのですが、糖質は大量に摂取できるので、タンパク質総量は多くできます。糖質制限で糖質を摂らない=ご飯や小麦を摂らないのは、タンパク質事情からいって無視できないほど影響が大きいのです。そのために、糖質制限食ではタンパク質を積極的に摂取する必要があるのです。

 

いろんな種類を摂る

というわけで、お肉をたくさん食べようということなのですが、ちょっと待ってください。お肉だけでは実はマズいのです。

プロテインスコア」アミノ酸スコア」というものがあります。

タンパク質はアミノ酸が沢山つながってできたポリペプチドという構造をしています。構成するアミノ酸の種類は20種類あり、これらをバランスよく摂取しないと、うまく活用できないと言われています。

20枚の細い板を円状に並べて作る桶のようなものと例えられます。特定のアミノ酸だけを多量に含むタンパク質を摂取しても、実際にはもっとも含有量の低いアミノ酸の分しか活用できないということです。

プロテインスコア
 各種食品に含まれるアミノ酸配合量(食品蛋白質の窒素1gあたりの必須アミノ酸)を、比較蛋白質アミノ酸配合量と比較し、比較蛋白質より、少ない比率しか含まれないアミノ酸を、制限アミノ酸と呼びます。最も、少ない比率で含くまれるアミノ酸を、第一制限アミノ酸と呼びます。第一制限アミノ酸の百分率を、プロテインスコアと呼びます。

アミノ酸スコア

アミノ酸パタンは、必須アミノ酸の理想的な量で、アミノ酸パタンを基準にして、最も少ない比率しか含まれないアミノ酸(最も比率が少ないアミノ酸)を、制限アミノ酸と呼びます。制限アミノ酸の比率(制限アミノ酸が含まれる量÷制限アミノ酸アミノ酸パタン量)を、アミノ酸スコア(アミノ酸価)と呼ばれます。 
 例えば、ある食品が、必須アミノ酸イソロイシンを、200mgしか含んでいなければ、比率は、200÷250は、80です。食品の各アミノ酸に関して、比率(アミノ酸が含まれる量÷そのアミノ酸アミノ酸パタン量)を計算し、イソロイシンの比率が、最も低いとすれば、イソロイシンが、制限アミノ酸で、その食品のアミノ酸スコアは、80となります。

脂質と血栓の医学:プロテインスコアとアミノ酸スコアより

 

これを避けるためには、いろんな種類のタンパク源を摂取する事です。

プロテインアミノ酸スコアについては上記Webサイトをご覧ください。)

  •  牛、豚、鳥のお肉はやはりメインのタンパク源ですね。特に鳥胸肉やささみはボディビルダーでも摂取する低カロリー低脂肪高タンパクの優秀な食品です。ただし、いずれのお肉も成長ホルモン剤抗生物質など薬物汚染に注意が必要です。
  • お肉は価格が高いのが難点ですので、大豆製品を有効に活用しましょう。含有量もお肉に近いので、価格とのバランスをみると、タンパク質摂取の観点からは実はお肉よりも優秀です。
  • 意外なところではするめ(あたりめ)、塩分が気になる人もいるでしょうが、後日書きますが塩分は思ったほど健康に影響しませんので、おやつにかじるのはお勧めです。糖質もほとんどありません
  • 魚であれば、サバ缶やツナフレークがおすすめです。オイル漬けだとω3も一緒に摂取できるのですが、カロリーとω6の過剰摂取が気になります。水煮タイプだとオイルが無い分、カロリーとω6の心配はありませんが、ω3も少ないので悩ましいところ。どちらも上手に活用したいですね。
  • 卵は超優秀です。含有量は低いものの、完全栄養食品と言われるくらい、栄養バランスが整っています。何より単独でプロテインスコア、アミノ酸スコアともに100の数少ない食品です。コレステロール過去の記事にもある通り、気にしなくても良いです。ガンガン食べましょう。
  • もちろん乳製品も優秀ですが、飽和脂肪酸が多く含まれているので、摂り過ぎには注意が必要です。
  • 手っ取り早いのはプロテインの粉末です。タンパク質量/価格の比率からも大変優秀です。ソイプロテイン(大豆の植物性)とホエイプロテイン(チーズの発酵後の液体に含まれる動物性)の2種類があります。難点はどちらもおいしくないところです。

 

以上、タンパク質 について、いいところを中心に紹介しました。

次回はこの続き、グルテンをはじめとするタンパク質の困った点をお話ししたいと思います。

 

ゴロー

 

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