ゴロ-の健康と糖質制限と栄養学の話

健康と糖質制限と栄養学について色々な話題を紹介します

糖質制限実践で重要なこと(4) 糖尿病治療への適応と健常者が実践する場合の注意

どうもこんにちは、ゴローです。

 

昨夜は雨で窓を開けられなかったので、クーラーを稼働しました。

もともと暑がりなので、これからの時期は必須ですね。

熱中症で死ぬことを考えたら、節電とか言ってられませんからね。

必要なものをうまく活用して、夏を乗り切りたいと思います。

 

 

さて、今日の話題は久しく取り上げていなかった糖質制限実践についてです。

 

 糖尿病“治療”?

糖尿病を正しく理解するの記事で、糖尿病がどういう病気なのかは考察しました。

 

gorogorogoro.hatenablog.com

 

 

gorogorogoro.hatenablog.com

 

簡単におさらいしますと、糖尿病とは糖代謝の異常です。

血液中の糖を組織にうまく取り込めなくなることで、様々な合併症を引き起こします。

糖質制限はその糖自体を摂取制限することで、血液中に糖があふれることが無いようにすれば、その合併症発症を予防できるという考え方によるものです。

 

一見、合理的に見えますが、これは治療なのでしょうか?

 

合併症予防には効果あり

 

結論から言うと、糖質制限で糖尿病が完治することはありえません。

(糖尿病は治らないものと世間一般には広く、医療界隈でさえも思い込まれていますが、実際には治る可能性はあります。)

 

 

糖質制限を行うとインスリンの分泌が極端に抑えられるため、同化する能力が落ちてしまいます。(ゆえに、“痩せる”わけですが)

問題は脂肪細胞だけでなく、筋肉細胞も、果てはβ細胞に至るまで、インスリンの力なしでは同化できない、つまり、増えることができないことです。

インスリンが生命維持に必要最低限量しか分泌されない糖質制限を長期間続けると、β細胞そのものすら、生命維持に必要最低限量しか存在できなくなる可能性があります。

この状態で糖質をちょっとでも過剰に摂るとどうなるでしょう。もちろん、インスリンの分泌能が弱い=耐糖能が低い状態ですので、血糖値は急上昇します。

 

糖質制限を長期間行うことはすなわち、糖質を処理できる力を極端に下げてしまう事を押さえておく必要があります。

体重が落ちたからと言ってもとの食事に戻すと、食後高血糖がより深刻な状態になる可能性もあります。

やるならやるで、ずっと続けていく必要があります。

 

糖質制限を行う事の最大の目的は食後高血糖グルコースミニスパイクを防ぐことで、血管内酸化ストレスを抑えることです。

この結果、糖尿病発病後の合併症を抑えることは十分に可能でしょう。

 きちんと糖質量を管理すれば、死ぬまで合併症を防ぐことが期待できます。

 

要するに、糖質制限は基本的には血糖値をすぐにでも下げる必要のある糖尿病患者の為の食事であり、健常な人が実践すると、耐糖能の低下を招く恐れのある食事法であるということです。

 

糖質制限前後:私の場合

耐糖能の低下のリスクがありましたが、私はやってみることにしました。

科学者としての興味と、アレルギーの軽減に効果があるのは魅力的でした。

 

ゆるい糖質制限によって、アレルギーの軽減や、食後の眠気の改善などの効果はありました。しかし、厳しい糖質制限に切り替えたところ、免疫力低下によるヘルペスウイルスの活性化と筋力低下がありました。おそらく、インスリンの分泌が少なくなった為、タンパク質の同化がうまく出来ず、免疫細胞と筋細胞の新規産生がうまく出来なかったのではないかと推測されます。

学術的なエビデンスにはなりませんが、私は自分の身体からのメッセージを受け取って、厳しい糖質制限が合わないと判断してやめました。

 

昼食時には茶碗半分位ごはんを食べるようにし、適度に糖質を摂取するようにしました。糖質制限実践前までの糖質量はかなり多かったので、その状態ではなく、減らした状態です。一日の摂取量は160g程度でしょうか、日によっても前後しますが、茶碗3杯まではいきません。体調は良好で、体重も糖質制限して6kg落ちた状態(=BMIで22)をキープしています。単純に、今までが多少食べ過ぎだったと言う事かも知れません。

血管内酸化ストレスは多量のビタミンとミネラルをサプリメントで摂取することで、抑えている形ですね。

これから実践する健常者へ

ダイエット目的でやるのはやめたほうがいいです。それならば筋トレや有酸素運動の方がより健康的に痩せられます。というか、リバウンドが無い肥満の解消には根本的にはやはり運動しかないと思います。

乱れた食生活や運動不足が招いた肥満をラクして解消しようと言うのがそもそも間違っているのです。それなりの無理=運動をしないと解消できません。

 

アレルギーの軽減や食後の眠気、また、生理痛にも効果がある人もいるので、こういった症状の軽減を目的に、実践してみるのは良いかと思います。

ただし、生半可な知識では身体を壊します。また、きっちりやったとしても、不調をきたした場合は素直に中止する勇気も大切です。合う合わないがありますからね。

実践する場合も、極端な糖質制限だと先の同化能の低下を招く恐れがあるので、ごはんを半分に減らすだとか、間食のパンを糖質が入っていないものに切り替えるなど、ゆるい制限で良いかと思います。ゆるい糖質制限でも、いろんな不調に対して効果はあるかと思います。

 

次回の糖質制限実践で重要なことでは、糖尿病人の場合について、お話ししたいと思います。

 

ゴロー