ゴロ-の健康と糖質制限と栄養学の話

健康と糖質制限と栄養学について色々な話題を紹介します

健康に役立つ栄養学(8) 糖尿病を正しく理解するその2

どうもこんにちは、ゴローです。

 

夜に降った雨がまるで熱帯多雨林のスコールの様でした。

実際に、日本は気候区分的に亜熱帯になりつつあります。

マラリアの汚染区域に沖縄が入るのも時間の問題と言われています。

このまま温暖化が進むとどうなるのでしょうか?

一説には氷河期の前触れであるとの見方もありますが果たして。。。

 

gorogorogoro.hatenablog.com

 

今日は前回記事の続きとして、糖尿病が治る可能性についてお話ししたいと思います。

 

 

ヒントは糖尿病発病機構

糖尿病の発症初期段階では、B細胞を増やすことでインスリンの分泌量を確保し、高血糖を下げようと体が適応していることがわかっています。

この状態が続き、膵臓に無理をさせ過ぎると、インスリンをまともに産生できなくなります。その後は前回お話ししたとおり、坂を転げるように状態は悪化、ついには合併症を引き起こします。

 

アメリカでも糖尿病が社会問題にまで発展するほど深刻な状況になっています。

2,910万人の衝撃!増え続けるアメリカの糖尿病患者数

糖尿病の罹患率は9.3%と、とんでもない数字です。

しかし、ここで日本と違う点があります。それは患者の平均BMIです。BMIについては説明不要かと思いますが、標準的な体型だと20~22くらいになります。日本の場合は24、アメリカの場合は31、イメージとしては日本人は小太りで糖尿病にかかるのに対し、アメリカ人だと立派なデブにならないと糖尿病にはならないということです。

日本人で体重が200kgを超えるような超デブがいないのに対し、アメリカ人ではそのへんでショッピングカート満載の食材を買い込んでいる姿は珍しくありません。

 

これは民族間の遺伝子の差によるものです。ざっくりいうと、インスリン分泌能とB細胞増殖能がアメリカ人の方が圧倒的に高いのです。

これと糖尿病発病機構を結びつけると、次のように考えられます。

 

高血糖状態が続くとB細胞の増殖により、インスリンの分泌量を増やして血糖値を下げます。インスリンは同化ホルモンなので、筋肉、脂肪、ともに増量します。増えた筋肉、脂肪を維持するために摂食量がさらに増え、高血糖が継続します。B細胞をさらに増やして対応しようとするのですが、日本人の膵臓はここで限界を迎えます。アメリカ人の膵臓はまだまだB細胞を増やして、更に肥満していきますが、いずれ限界を迎えます。増えた脂肪細胞は炎症を引き起こすサイトカインを分泌し、膵臓に炎症が起こると今度はB細胞が免疫系からの攻撃を受け、細胞死します。B細胞を増やすことでインスリン分泌量を増やし、なんとか血糖のバランスを保っていたのが崩壊し、ついには糖尿病を発病するに至ります。

 

糖尿病とは糖代謝の異常によるものなので、これを正常化する=完治の為には、身体が糖の取り込みをできるようにすればいいわけです。

 

器を大きくする

糖尿病の症状が進むと、インスリン抵抗性と耐糖能の低下により、同化能が低下してくるので、体を分解する作用である異化が亢進します。やっかいなことにこの異化は筋肉から優先的に起こります。細胞内の糖が不足している状態(実際には血液中に糖はたくさんある)なので、体はさらに糖を増やしてやろうとします、すなわち、糖新生が活性化されるのです。同時に高血糖なのでインスリンを分泌して血糖を下げようとするのですが、この状態になるのは膵臓が限界を迎えた後のことなので、対応できず、結果的に高血糖状態が続きます。この後の顛末は前回お話ししたとおりです。

 

では、これを治すためにはどのようにすればいいのでしょうか。

結論から言うと、筋肉を増やして脂肪を減らすことです。

 

糖の取り込みを行うのは筋肉細胞と脂肪細胞の二つ、ですが、先の理由により、脂肪細胞を増やすことはさらなる耐糖能の低下を招きます。したがって、筋肉=糖を受け入れる器を増やす必要があるわけです。

その為のもっとも効率的な方法として、過去の記事で紹介した高強度筋力トレーニングがあります。

  

高強度無酸素運動をする

過去の記事でお話しした時には、運動の重要性についてでしたが、あくまでも健常者の話です。糖尿病が発病してしまったら、甘いことは言ってられません。

脂肪を減らすために日本糖尿病学会では有酸素運動が勧められています。

糖尿病治療ガイド2016-2017(抜粋):日本糖尿病学会 The Japan Diabetes Society

ですが、有酸素運動には大きな落とし穴があるのです。実は、有酸素運動は速筋を減らすのです。マラソンランナーはトップアスリートですが、ムキムキの人はいませんよね。もちろん、食事やトレーニングのたまものとも言えるのですが、マラソンでは速筋が落ちるため、筋肥大のしようが無いというのが、もっとも大きな理由です。

 

有酸素運動は確かに脂肪を減らす効果は大きいのですが、同時に速筋も減ってしまう、しかも、筋肉の減りの方が早くおとずれるので、中途半端な有酸素運動では筋肉が減って脂肪がそのままになります。上記ガイドラインのように、中、または高強度有酸素運動を毎日つづけるレベルでないとうまく脂肪を減らせないということです。

 

しかし、忙しい現代人に毎日有酸素運動を継続して行うのは至難の業です。しかも、食事制限をしながらなので、その後は相当腹が減っています。結果、我慢できずに食べ過ぎてしまうことにもつながるでしょう。にもかかわらず、日本糖尿病学会有酸素運動推し進めるのは、体の負担がちいさいので、継続できる(実際にはできない(笑)、そして、高強度無酸素運動がとてもキツい、ケガをしやすいからではないかと思います。

だいたい、糖尿病になる人は本来的に運動が嫌いで小太り、もしくはデブになった人ですから、毎日数キロも走れるわけがありません。ひざか心が先に逝ってしまうのがオチでしょう。

 

高強度無酸素運動は短い時間で高い負荷を与えることです。具体的には数秒間でできる運動を10回程度連続して行える限界ギリギリの重さでやることです。これを3~4セット繰り返します。回数は目安で5回でも7回でもいいのですが、それだけ重量が大きいと今度は関節に負担がかかったりでケガをしやすくなるので、その辺はやってみて調整が必要かと思います。

 

一回のトレーニングでは足、胸、背中など部位を限定し、それぞれの部位は週1回、週3回程度の頻度で行います。というか、実際にやってみましたが、これ以上の頻度ではできません。筋繊維がズタズタになり、本当にきついので(笑)。

 

筋トレについては私は素人なので、今後、勉強したいと思います。やり方はもちろん、プロテインなども奥が深く、栄養学とも関連が強いのです。

筋肥大によって糖の取り込み能が上がるのはもちろん、更にいい効果があります。筋力トレーニングによってGLUT4が励起されるのは非インスリン依存なので、インスリン分泌能が低下していても糖の取り込みが行えるのです。(詳しくは過去の記事をごらんください。)

 

 

高強度筋トレはこのように、取り込む器を大きくする、糖の取り込み能促進、相乗効果で糖尿病の根本原因である糖代謝の異常を改善できる可能性を秘めています。もちろん、脂肪燃焼効果もあるので、有酸素運動よりも糖尿病の完治には効果的ではないでしょうか。

 

運動がどうしても出来ない場合は、糖質制限によって、合併症の進行を食い止める以外にありません。けっして完治は望めないので、一生糖質制限を行う必要があります。

 

結論としては、地道に毎日有酸素運動を続けるか、週3程度でキツい無酸素筋トレを行うかのどちらかで、糖尿病の完治につながります。どちらもカロリー制限と栄養管理が必要なのは言うまでもありませんが。

 

ゴロー

 

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