ゴロ-の健康と糖質制限と栄養学の話

健康と糖質制限と栄養学について色々な話題を紹介します

健康に役立つ栄養学(2) 脂肪酸

どうもこんにちは、ゴローです。

 

先日、父親が海釣りへ行った来たのですが、

持って帰ってきた獲物はなぜかたっぷり入った壺入りの梅干(^_^;)

聞くと、釣りのチーム内でのじゃんけん大会で優勝した景品とのこと。

いや、そうじゃなくて、魚はどこへ・・・???

「バッカン(魚を入れておく桶)を忘れたから、リリースしてきた(笑)」

晩御飯のおかずは海の彼方、遠くへ行ってしまったのでした。

 

 

 脂肪酸の分類

さて、今日の話題は脂肪酸です。

 

最近、アブラが健康食品界では重要なキーワードとなっていますね。俗に固形は“脂”、液状は“油”と書きます。

 

 

脂肪酸とは脂肪を構成する物質の一つで、グリセリン脂肪酸が3つくっついたものが脂肪と呼ばれています。その構造の違いから飽和脂肪酸不飽和脂肪酸の2種類に、不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸に分類できます。また、炭素鎖の長さから短鎖、中鎖、長鎖脂肪酸に分類できます。

 

栄養学の観点からはこの脂肪酸の摂取割合と、どの脂肪酸を摂取すべきかが重要です。

必須脂肪酸とそうではない脂肪酸があります。

 

 

必須脂肪酸

リノール酸、多くの植物油に含まれています。

いわゆる魚の油のDHAEPA、植物性ではαリノレン酸です。DHAEPAは体内でαリノレン酸から合成できるので、厳密には必須脂肪酸とは言えませんが、変換率が10%程度と低いため、必須としても良いかもしれません。

 

必須ではない脂肪酸

オリーブオイルのオレイン酸が代表例です。

揚げたスナック菓子やマーガリンに多く含まれていますが、自然界にはほとんど存在しません。わずかに動物性脂肪に含まれます。

ステアリン酸、パルミチン酸が代表例、主に動物性脂肪に含まれます。近年、注目されているココナッツオイルにはラウリン酸と言われる飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

 

脂肪酸の役割

 必須脂肪酸のω6とω3の摂取割合ですが、2:1が理想と言われています。しかし、アトピー性皮膚炎や慢性鼻炎など、炎症性疾患を持っている人は、1:1でもいいとも言われています。

ω6は体内で炎症を促進するホルモンの、ω3は炎症を抑制するホルモンの原料となっています。面白いのは、途中の経路はどちらも同じ酵素で変換されるということです。酵素反応は体内での濃度によってどちらが優位に進むかが決まるので、ω3の割合を多くすることで、炎症を抑えることができるのです。ヒト試験でも、ω3摂取割合が高い方が、炎症性疾患が改善されるという報告があります。

 

脳内にはDHAが豊富に含まれており、痴ほう症患者のDHA摂取割合を増やすと、症状の進行を遅らせることができるとの報告があります。また、妊婦さん、あるいは授乳時はこのDHAを積極的に摂取すべきです。赤ちゃんの脳の発達にはもっとも重要な栄養素です。また、融点が低いので、血液をサラサラにする働きもあります。

 

 ω9は中立的なふるまいをするので、ω6よりはω9、つまり、サラダ油よりオリーブオイルを使った方が、健康にはよいでしょう。

 

トランス脂肪酸ははっきり言って、何者かわかりません。なにせ、自然界に存在しないので、生体にとっては未知数なのです。実際に、動物実験では悪影響がある報告と、特に影響がないという報告が両方あるのです。ゆえに体内での役割は不明、出来るだけ摂取したくない脂肪酸です。

 

不飽和脂肪酸は細胞の材料や生理活性物質となりますが、飽和脂肪酸は単純にエネルギー源としてのみ使われますので、脂肪酸の中では優先的に代謝されます。なかでもココナッツオイルは中鎖脂肪酸と言われ、消化しやすいのでパワーの源と言えるかもしれません。また、食物繊維は腸内細菌の餌となり、短鎖飽和脂肪酸を産生します。食物繊維で便通が良くなるのは、この短鎖脂肪酸を腸がエネルギーとして直接利用でき、活発に活動できるからなのです。

 

魚の油を摂ろう!

必須脂肪酸とはいえ、意図的に脂質の摂取を制限しない限り、普段の食生活でω6が不足することはほとんどありません。ω3はかなり不足していると言われています。ある調査ではω6:ω3=20:1であった群もあるそうです。先に述べたとおり、この二つは体内で競合するので、絶対量よりも、比率が重要なのが必須脂肪酸を摂取する上でのポイントです。

 

 抗炎症作用は断トツでEPA、次いでDHA、先に述べたとおり、同じω3でもαリノレン酸は抗炎症作用を示すEPAへの変換効率が悪いので、亜麻仁油エゴマ油はそこまでおすすめしません。サラダ油よりはマシという程度に捉えるべきでしょう。ω3の欠点は非常に酸化しやすいこと。加熱調理によって、その力は大きく減少します。ゆえに、生の青魚を週に2回は食べたいところです。しかし、先のω6:ω3=1:1で摂ろうと思うと、いわしを丸々2匹、毎日食べ続けなければなりません。また、マグロやブリに豊富に含まれているのですが、生物濃縮の問題があります。そこで、私は生物濃縮の観点から安全性が高く、抗酸化物質アスタキサンチン配合のω3サプリメントを1g/day摂取しています。これは値段が少々高い(ひと月4000円程度)ので、炎症性疾患に悩まされている人以外は無理に取り入れなくてもいいかと思います。

 

ほとんどないかと思いますが、ω3過剰症は血が止まりにくくなることと、免疫力の低下があります。そもそも、炎症とは病原体への防御反応です。病原体の侵入を体中に知らせる働きがあるのです。ω6が不足すると免疫力が落ちるのは、この反応が抑制され、病原体の排除が遅れてしまうからです。

 

 必須でなくても、とても重要です

オリーブオイルはサラダ油と置き換えることで、先の摂取比率改善に役立つでしょう。炒め油やドレッシングの代わりにオリーブオイルを活用します。また、オリーブオイルの香りに健康増進効果、食欲抑制効果があるとの報告もありますので、積極的に取り入れたいところですね。

 

マーガリンと揚げスナック菓子は私が絶対に口にしない食品の一つです。トランス脂肪酸の安全性の問題はもちろん、うすくスライスしたジャガイモやコーンペーストを揚げることは、発がん性物質をとても効率よく産生する調理法です苦笑。

 

糖質制限を行っている人は体内のエネルギーがとても不足しやすいので、お肉の油やココナッツオイルなどの飽和脂肪酸=高エネルギー食品は積極的に摂ってください。ちゃんと取り入れなければエネルギー不足でフラフラになりますので。ただし、繊維質もしっかりと取るようにしてください。

 

 以上、脂肪酸についてのお話でした。

最新のトピックスはまだまだありますので、また別の機会にお話ししたいと思います。

 

ゴロー

 

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