ゴロ-の健康と糖質制限と栄養学の話

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健康に役立つ栄養学(10) ミネラル:食塩

どうもこんにちは、ゴローです。

 

先日、昔ルームシェアしていた友人宅に遊びに行ったのですが、通りかかったコインランドリーで上半身裸の(おそらく)中国人がいました。洗濯ものが仕上がるのを待っているのでしょうけど、他に着る服がないんでしょうか、出先で急に汚れたとか?

謎は深まるばかりでした。

友人宅のマンションのエレベーターに乗り込むと、ビニル手袋が一対、床のど真ん中に置いてありました。使用済みでした。どういう状況でエレベーターでビニル手袋をはずし、ど真ん中に置いておくことになるのでしょう。

謎は深まるばかりでした。

 

私が住んでいた時にもいろんなイベントが起こる街でしたが、相変わらずだなと思いました。

 

ミネラルの種類

ミネラルと一言に言っても様々な種類があります。

人体の必須ミネラルのうち、ナトリウム、リン、マグネシウム、カルシウム、カリウム、硫黄、塩素、鉄の8種類は主要元素と言われ、人体で割と多く必要とされています。

クロム、マンガンモリブデン、銅、コバルト、セレン亜鉛ヨウ素バナジウム、フッ素、臭素ヒ素、ニッケル、ケイ素、アルミニウム、ホウ素の16種類は微量元素と言われ、かなりの少量でよいと言われています。

今回はこのうち、何かと敵視される食塩についてお話しします。

摂り過ぎ?不足?

 NaClの化学式で表される塩化ナトリウムは最も摂取量が多いミネラルでg単位で普段から毎日口にしていますね。

1日の塩分摂取の目安は?【2017年度最新版】

一日の摂取量を男性で8g、女性で7g以下に抑えるようにと、厚生労働省からはお達しが出ています。ところが、日本高血圧学会では6g、WHOからは5g未満に抑えろなどなどまちまちです。

一方で暑い夏、熱中症対策に塩分補給もしっかりしましょうとも言われます。

いったい、私たちはどうすればいいのでしょうか?

 

高血圧の犯人は・・・

そもそも塩分の摂取を抑制するのはどうしてなのでしょうか。そう、高血圧の予防のためです。

塩分摂取量が大きい地域に高血圧患者が多いのは確かです。しかし、これは個人差が大きいと考えられます。同量の塩分を摂取したとして、血圧が上がる幅に違いがある、つまり、塩分感受性が違うのです。

というのも、血圧は塩分摂取量だけで決まるような、単純なものではないからです。

 

血圧は文字通り、血管内の血液の圧力のことです。圧力は単位面積当たりにかかる力の大きさのことです。血液中の塩分濃度が高くなれば、血液の水分を多くすることで、その濃度を調節します。それと同時に、過剰な塩分を腎臓で濾し取って、尿として排出します。ナトリウムイオンは細胞膜の電位、とくに、神経細胞の伝導に重要な役割を果たしていますので、一定の濃度を保つ必要があるのです。血管内に流入する水分量が多ければそれだけ圧力も上がります。蛇口を思いっきりひねると、水道のホースが硬くなるのと同じ理屈です。

血液中の塩分と水分量は腎臓での再吸収によって調節されていますので、腎臓が正常な状態であれば、このように一時的に血圧が上がっても、ちゃんと一定に保たれます。

 

圧力が上がる要因はもう一つあります。それは血管の内径です。同じ血液量が流れていても、血管が細ければ細いほど、面積が小さくなるので、それだけ圧力が上がることになります。ホースの口を手で押しつぶすと水が勢いよく出てくるのと同じ理屈です。

この場合は理論上は心臓から送り出す力を小さくすればよいのですが、それでは末梢まで血液が行き届かず、細胞が死んでしまいます。そのため、動脈は筋肉を内壁に入れ込むことで柔軟性を持たせ、血管の太さをある程度変えられる構造になっているのです。こうすることで、ある程度、血液量が増えたとしても血管の太さを変えることで、血圧は一定の値に保たれているのです。

 

これが保てなくなる要因が動脈硬化です。

 

動脈硬化とは内壁に硬い物質がこびりつくことで、動脈の柔軟性が失われた状態を指します。先の理由から心臓から血液を送り出す力を弱めることはできませんので、動脈硬化が血管中のあちこちで発生している場合、高血圧にならざるを得ないのです。

高血圧がかかった血管はあちこちに傷みが生じます。これを修復してくれるのがコレステロールなのですが、酸化ストレスが重なることで、コレステロールが必要以上に血漿成分と一緒に固まり、さらなる動脈硬化を引き起こします。

これが心臓で起こると狭心症心筋梗塞、脳の血管で起こると、脳梗塞くも膜下出血の原因となるのです

つまり、高血圧とそれによって引き起こされる病気の犯人は、塩分過剰摂取ではなく、動脈硬化である可能性が高いと言えるでしょう。

 

日本人は適正量を摂取している

話が逸れてしまいましたが、 まとめると以下のようになります。

高血圧と塩分の摂取量に相関関係はあるものの、心疾患や脳疾患と完全な相関があるとは言えないのは、根本的には血管内の酸化ストレスと、それによって引き起こされる動脈硬化による影響が大きいためだと考えられます。

 

人体に必要な塩分量は生理学的には塩化ナトリウム換算で一日に3~6gと言われています。

かなり幅があるので、いまいち信頼性に欠ける数字ですが、WHOの推奨摂取量もここから考えると納得できます。しかし、腎臓の機能さえ正常であれば、過剰な分は問題なく排出されるわけですし、多少摂り過ぎたところで特に問題が無いように思われます。

 

現に、日本人は世界でも有数の塩分大量摂取国ですが、心疾患や脳疾患が突出して多いわけではありません。また、以下のリンクには、ナトリウム摂取量と循環器系疾患リスクには相関関係があるとされていますが、10g群では7.5g群と変わりがありません。生理的必要量を4g以上超えていても、影響がないとみることもできるのです。また、同じデータでは脳卒中リスクは17gを超えた群でのみ高いと読み取れます。

塩分・塩蔵食品と、がん・循環器疾患の関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ

 

さすがに、一日に17gを超えるのは摂り過ぎとしても、現在の日本人の平均摂取量である11g前後であれば、特に問題が無いのではないかと思います。というか、ちょうどいいのではと思います。日本では平均摂取量が一日20gを超えていた時期もあり、脳卒中の患者が非常に多かったのですが、現在の量になってからは激減したという事実があります。

 

先にも述べたとおり、血圧は食塩摂取量のみで決まるものではなく、様々な要因が複雑に絡み合って決まります。塩分を悪者の様に極端に摂取制限するのは、以下の記事の様にむしろ病気のリスクを上げることにつながると言う報告もあります。

塩分制限で病気増の危険も…十分な摂取がかえって健康的?制限要は高血圧の人のみ? | ビジネスジャーナル

 

塩分の摂取量と疾患の関係については、実は世界的には大規模な調査が行われていないのが現状で、信頼度の高い調査は日本国内での調査しかありません。アメリカのFDAが出している一日6g以下というのも、根拠に乏しい数字なのです。生理学的な必要量と、健康維持のための許容量は必ずしも一致しないのです。

従って、お医者様であっても、高血圧患者に一日に摂取すべき量を明確に出来ない、あるいは塩分を控えてという、とにかく曖昧な指導しかできていないそうです。

 

結論としては、日本人の平均的摂取量程度であれば、健康への影響は少なく、意識的に避ける必要はないと考えられますね。

 

ゴロー

 

 

 

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