栄養学最新動向(1) 筋肉組織から放出されるホルモン様物質
どうもこんにちは、ゴローです。
今日はファミレスへサラダバー付きステーキセットを食べに行きました。
サラダバーにはスープやパン(私は食べませんけど(^_^;))、カレーも付いていて、かなりお腹いっぱいまで食べられますし、お昼すぎに行けば店内も空いていて、ゆったり読書したりできるので、結構気に入っています。
↑前回のカロリー関連事項として、よく読む科学雑誌から、ちょっと面白い記事を一つ紹介したいと思います。
骨格筋と脂肪組織にかかわる最近の話題
(前略)
近年、骨格筋からさまざまな生理活性物質が分泌され、自己・傍分泌的に筋周囲の組織へ作用したり、あるいは内分泌的に遠隔臓器へ作用するという報告がされるようになってきた。骨格筋から分泌される種々の生理活性物質は、総称してマイオカインと呼ばれる。これらのことは、骨格筋が分泌器官として重要な役割を果たしており、筋収縮によるマイオカインの分泌増加や、運動トレーニングによる筋量の増加が、生体の恒常性維持に貢献している可能性を示す。
(中略)
PGC1αは運動によって骨格筋で発現増加し、(中略)Irisinと呼ばれるタンパク質(ペプチド)の産生と放出を促進し、皮下脂肪中に存在する前駆脂肪細胞を褐色脂肪細胞に分化させてエネルギー消費量を増加させる
「化学と生物」2015年1月号より引用
学術雑誌なので、少々難しいことが書かれていますが、運動によってPGC1αという物質が発現増加し、この作用で骨格筋からホルモンの様な物質が出てきて、脂肪細胞の変質をもたらし、エネルギー消費しやすい形に変えてくれるということです。
運動が筋肉細胞表面のGLUT4励起に結びつき、組織への糖取り込みを促進することは以前の記事で紹介しましたが、この作用以外にも遠隔組織での脂肪燃焼を促進し、肥満や糖尿病の予防・改善に役立つことが示唆されています。
記事ではマウスを用いて、耐糖能の改善や体重減少に効果があることが実験で示されていました。現在の糖尿病治療薬はインスリンを中心とした同化促進薬がほとんどですが、全く別のアプローチとして、脂肪細胞に直接働きかける薬に応用できるかもしれません。
また、通常内分泌腺から出てくるとされていたホルモン(様物質)が、作用体である骨格筋から分泌されるというのもキーポイントです。脂肪組織からも様々なホルモン様物質が分泌されていることが最近分かってきましたが、骨格筋にも同じような働きがあるのですね。
これまでにわかっていることはまだまだほんの一部、興味は尽きませんね。
ゴロー